漢方外来(病院、薬局) ブログトップ

漢方医はどこにいる? [漢方外来(病院、薬局)]

中国での診察は個室ではありません。名医かどうかの判断もしやすい?!

病院に行けば西洋医がいますが、「漢方医」ってどこにいるのでしょうか? また、どんな人を「漢方医」といっているのでしょうか?

まずは、「漢方医」にまつわる謎を、Q&A方式でご紹介します!

Q.1 「漢方医」という資格はあるの?

A.1 実は、日本には「漢方医」という決められた資格はありません。日本東洋医学会では、一定の基準により「漢方専門医」の認定をしています。

Q.2 では、医師はどこで漢方を習得するの?

A.2 2002年までは漢方医学の講義は選択式で、それほど重要な位置づけではなかったのが伺えます。しかし現在の医科大学や医学部では漢方のカリキュラムが組み込まれ、漢方の授業は必須となっています。独自に東洋医学を勉強.研究したり、中国の医師に師事して漢方薬を積極的に用いる医師も多くなってきているようです。

Q.3 「中医師」ってどんな資格?

A.3 中国政府の外郭団体が、国際的に中国医学の専門家を認定する制度です。現在では「国際中医専門員」と呼ばれています。ちなみにこの資格は中国国内では中医学を扱う医師として認められていますが、日本では「医師免許」とは異なり、医療行為はできません。

Q.4 「漢方」と「中医学」(中国伝統医学)って同じもの?

A.4 中医学の特長でまず挙げられるのが、診断方法です。「弁証論治」(べんしょうろんち)といって、現在出ている症状だけでなく、その原因をさぐり、体質をみることを重視します。この中医学は日本に広く伝わりましたが、江戸時代になると、理論や哲学より実用性を重んじるような考えが広まりました。そこから今にいたって独自の発展を継げるのが「漢方」です。つまり漢方は、日本生まれなんですね。

日本では保険適用で扱える生薬の範囲などからも「中医学」ではなく、「漢方」だという考えもありますが、一番の違いはその人の証(体質)を診るのか病気を診るのか、治療方針の立てかたの違いによって区別するのが、わかりやすいかもしれません(ちなみにわたしが習得し、紹介しているのは中医学に基づくものですが、皆さんが理解しやすいように「漢方」と呼んでます)。

漢方薬は新薬とは、どこが違い? [漢方外来(病院、薬局)]

漢方薬は新薬とは、どこが違うのでしょうか

漢方薬と新薬とは、親子のような関係です。

人類の長い歴史の中では、身近な天然物(生薬)が薬として使われてきました。そして、そうした生薬中の有効成分を取り出したり、それに簡単な化学的な手を加えたのが新薬で、誕生したのは、わずか一~二世紀前です。

一方、漢方薬は二千年に及ぶ使用経験を通して、効き目や安全性が確かめられてきています。そして現在、使われている新薬の多くは、天然物に起源のあるものです。

新薬は、切れ味の鋭い、即効性のある薬です。

新薬は有効成分だけから作られているわけですから、その分切れ味が鋭く、即効性があることが特徴ですが、反面、効き目が強く出てしまったり、使い方によっては好ましくない作用が出てしまうこともあります。

また新薬は、一つの薬でいろいろな症状をとることには不向きです。

漢方薬は、多彩な症状に対応できる薬です。

漢方薬は、いくつもの成分が助け合って働くことで、多彩な症状にマイルドな作用を示します。 また、「弱り目に祟り目」という言葉のように、人は免疫力が落ちた時は、病原菌に感染しやすいものです。 ですから大切なことは、菌を殺すことだけではなくて、むしろ感染に負けない体質に変えて、病気に対する抵抗力を高めていくことです。こうした働きも、漢方薬の得意とするところです。

漢方薬は、合併症やいくつもの症状をかかえている患者さんが増えている、これからの社会に適した薬だといえましょう。
漢方外来(病院、薬局) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。